「責任感が強いと思われている殆どの人は義務感が強いだけで、責任感じゃないんだってさ。まあ、俺もそうみたいだな。雑多な細かい気がかりばっかりで。真っ新の頭で演奏したいなあ」
・・・・そうかな。昔のあなたは知らないけれど、今はそうじゃないんじゃない。「軋轢を楽しむ」位なんだから。
でも、知らない女の話をされるのは、何かむかつくから、言わないでおこう。
「ねえ、私が傷つけた、『最初の彼のお姉さん』は、『アイデアと、それを実現できる方法を探す気さえあれば、自分だけの世界を作ることが出来る』と言ったの。私は、その言葉が大好きなの。
もちろん上手くなりたいけれど、今までに聴いたことの無い音楽がやりたいわ。だって、それが出来そうな、私たち五人じゃない?」
「そうだな。出来る限り、みんなのアイデアで曲を作りたいよ。
楽器演奏者である限り、曲の中で、自分をどれだけ実現できるかは必要だよ。けれど、演奏全体を自分のものにして、共演者を活かす演奏とか、構造を作る力も必要だ。
もちろん、お情けは要らないけれど・・・・。
ただ、その両方を、どう責任持って常に輝かせるか、っていうのは、大事なことだと思う。
みんなで曲を作っていくためには。・・・・難しいことだけどね」
そういえば、私は以前、携帯電話で遮られた時、貴方にこう言いたかったんだ。
「私、あのライブで、カミさんのこと、尊敬したんだ。
勿論、輝広が珍しく我を押さえて、カミさんのコンセプトに寄り添って、ギターでかっちりバッキングしていたことも良かったけれど、カミさんのドラムがポイントを押さえてくれたから、ちゃんと帰って来られたんだなって。
私、音楽が一端壊れかけたら、後はバラバラになるだけだって、思っていた。そんな音楽しか演奏したこと無かったし。
破綻すれすれの混沌の入り口から、何度も新しい服を着て、帰って来たなんて、今まで、経験した事、無かった。
ホント、感動したんだ」って。
あれ、寝ちゃったの。先に送らせるのかよ。もう。
結構、可愛い顔してるなあ。
・・・・あれ、なに。やだ。ドキドキする。
・・・・ヤバイ。私、この人に惚れかけてるみたい?
(第三話 終/二〇一一年七月十一日)
・・・・そうかな。昔のあなたは知らないけれど、今はそうじゃないんじゃない。「軋轢を楽しむ」位なんだから。
でも、知らない女の話をされるのは、何かむかつくから、言わないでおこう。
「ねえ、私が傷つけた、『最初の彼のお姉さん』は、『アイデアと、それを実現できる方法を探す気さえあれば、自分だけの世界を作ることが出来る』と言ったの。私は、その言葉が大好きなの。
もちろん上手くなりたいけれど、今までに聴いたことの無い音楽がやりたいわ。だって、それが出来そうな、私たち五人じゃない?」
「そうだな。出来る限り、みんなのアイデアで曲を作りたいよ。
楽器演奏者である限り、曲の中で、自分をどれだけ実現できるかは必要だよ。けれど、演奏全体を自分のものにして、共演者を活かす演奏とか、構造を作る力も必要だ。
もちろん、お情けは要らないけれど・・・・。
ただ、その両方を、どう責任持って常に輝かせるか、っていうのは、大事なことだと思う。
みんなで曲を作っていくためには。・・・・難しいことだけどね」
そういえば、私は以前、携帯電話で遮られた時、貴方にこう言いたかったんだ。
「私、あのライブで、カミさんのこと、尊敬したんだ。
勿論、輝広が珍しく我を押さえて、カミさんのコンセプトに寄り添って、ギターでかっちりバッキングしていたことも良かったけれど、カミさんのドラムがポイントを押さえてくれたから、ちゃんと帰って来られたんだなって。
私、音楽が一端壊れかけたら、後はバラバラになるだけだって、思っていた。そんな音楽しか演奏したこと無かったし。
破綻すれすれの混沌の入り口から、何度も新しい服を着て、帰って来たなんて、今まで、経験した事、無かった。
ホント、感動したんだ」って。
あれ、寝ちゃったの。先に送らせるのかよ。もう。
結構、可愛い顔してるなあ。
・・・・あれ、なに。やだ。ドキドキする。
・・・・ヤバイ。私、この人に惚れかけてるみたい?
(第三話 終/二〇一一年七月十一日)
#
by jazzamurai_sakyo
| 2011-12-07 07:00
| 第三話 「紫の指先」